ワジェンキ公園の森で

ショパンを巡る旅もそろそろ終盤に近付いてきた。

そういえばワジェンキ公園にまだ行っていないことに気が付く。

ショパンワルシャワにお別れした場所に私も行ってみることにした。

天気はまずますである。今日は案内は誰もいない。

私が車から降り立った場所は公園の正面ではなかった、運転手さんも全くショパンに興味がなさそうで公園に何をしに来たのだろうかという反応である。

降ろされた場所からショパンの像まで辿り着くまでが長かった、1時間は歩いたか、公園というよりジャングルの中を歩いて、すれ違う人もほとんどいない、これはもう遭難か?と不安になったところで警備で巡回している警官を偶然みつけて道を尋ねた。しかし、それでも警官ですらショパンの像は知らないと言う。警官までが地図を広げ始める始末だ。私はショパンに興味がない人もいるのだとようやく認識した。

後で分かったが、降ろされた場所が一番遠い場所だったようだ、そういうこともあるのだ。

しかし、その御蔭か?森の中をほぼ全部制覇したのではと思うくらい歩いた。道を

時折すれ違うポーランドの人に尋ねたり、それはそれで人との触れ合いがあった。

遠回りはたいへんだが、いいこともあると言い聞かせて、もう足が前に出ないと思った頃にようやくショパンの像が見えて来た。まさか公園で山歩きをさせられるとは想定外であった。

しかしながら、ポーランドの樹木と人々に出会って、そのワルシャワの息吹を感じ取り、ワルシャワ市民から流れる血とリズムに民族の違いを感じることが出来たのは

私にとってショパンとはこの地でありこの空間と時間を超えて

私の中に流れる音楽に同じくするものを持っていることを確認することが出来ました。

ああ、分かり合えるとは素晴らしく輝かしいことです。